両軸リールとは?特徴・スピニングリールとの違い・向いている釣りを解説

両軸リールとスピニングリールを並べて構造の違いを比べた写真

両軸リールとは、スプールを左右のフレームで支え、スプールを直接回転させてラインを巻き取る構造のリールです。ルアーを狙った場所へ投げやすく、巻き上げの力を伝えやすい一方、キャスト時はスプールの回転を調整する必要があります。

この記事では、両軸リールとベイトリールの呼び方、スピニングリールとの違い、向いている釣り、選ぶときの確認ポイントを順番に解説します。

両軸リールとは?

両軸リールは、ラインを巻くスプールの軸を本体の左右から支えるタイプのリールです。ハンドルを回すとギアを介してスプールが回転し、ラインをスプールへ巻き取ります。スプールとラインの進行方向が近いため、仕掛けを回収するときの力を伝えやすいのが特徴です。

メーカーや釣り方によって呼び方は少し変わります。ルアーを投げる小型・ロープロ型の両軸リールは「ベイトリール」「ベイトキャスティングリール」と呼ばれることが多く、船釣り向けの丸型リールは「両軸リール」と呼ばれることが多いです。厳密に別の構造というより、用途や製品ジャンルによる呼び分けと考えると理解しやすいでしょう。

主なパーツと役割

  • スプール:ラインを巻く回転部。キャスト時にも回転します。
  • クラッチ:キャスト時にスプールをフリーにする操作部です。
  • ブレーキ:キャスト中のスプール回転を抑え、バックラッシュを防ぎます。
  • ドラグ:魚が走ったときにラインを送り出し、ライン切れを防ぐ機構です。

両軸リールは、スプールを自由にした状態で投げ、着水後にクラッチを戻して巻き取りへ移ります。この操作が、スピニングリールとの大きな違いです。

スピニングリールとの違い

両軸リールとスピニングリールは、ラインの出し方と巻き取り方が異なります。どちらが優れているかではなく、投げる仕掛けや釣り方に合わせて使い分ける道具です。

比較項目 両軸リール スピニングリール
構造 スプール自体が回転する ローターとベールが回ってラインを巻く
キャスト スプール回転をブレーキで調整する ベールを開けてラインを放出する
得意な場面 狙った位置へのキャスト、力強い巻き上げ 軽い仕掛け、幅広い入門用の釣り
注意点 調整が合わないとバックラッシュが起きる 構造上、巻き上げの力やキャスト精度に限界がある場面もある

スピニングリールは、ラインがスプールからほどけるように出るため、軽いルアーや仕掛けを投げやすいのが利点です。一方、両軸リールはキャスト中もスプールが回転するため、親指やブレーキで回転を管理すると、着水点を細かく調整できます。

両軸リールのメリットと注意点

狙った場所へ投げ分けやすい

両軸リールは、スプールの回転を指で止めたり弱めたりできます。ルアーが水面へ着く直前に回転を止める「サミング」を使えば、岸際や障害物の際など、狙った場所へ落とす操作をしやすくなります。

巻き上げの力を伝えやすい

スプールとハンドルの距離が近く、ラインをまっすぐ引き込みやすい構造です。重めのルアーや仕掛けを回収するとき、ハンドルを安定して回しやすいのがメリットです。ただし、実際の使いやすさはギア比、ハンドル、ロッド、ラインの組み合わせでも変わります。

バックラッシュに注意する

キャスト後にルアーの飛行速度が落ちてもスプールが回り続けると、ラインが余ってスプール上で絡みます。これがバックラッシュです。ブレーキを強めに設定し、最初は軽すぎないルアーで、着水前にサミングする練習をすると扱いやすくなります。

向かい風や横風ではルアーの速度が変わりやすいため、普段と同じ設定でもバックラッシュが起きることがあります。遠投距離だけを目標にせず、まずは安全にスプールを止められる設定を優先してください。

両軸リールに向いている釣り

ルアーを正確に投げる釣り

バス釣り、ロックフィッシュ、ボートからのルアー釣りなど、同じ場所へ何度もルアーを通したい釣りでは、両軸リールのキャスト操作が役立ちます。低い弾道で投げたり、障害物の近くへ落としたりする場面とも相性があります。

ただし、釣り場の状況やルアーの重さによってはスピニングリールの方が簡単に投げられることもあります。魚種だけで決めず、使うルアーの重量と必要なキャスト精度で選びましょう。

船釣りや仕掛けを一定の深さで扱う釣り

船釣りでは、仕掛けを落とす、ラインを出す、狙った水深で止める、回収するという操作を繰り返します。ラインを巻く量を把握しやすく、ハンドルで力をかけやすい両軸リールは、このような釣りにも使われます。

船用の両軸リールとルアー用のベイトリールは、見た目が似ていても糸巻き量やドラグ、対応する仕掛けが異なります。船釣り用をキャスト用として選ぶ、または小型ベイトリールを重い船仕掛けに使うといった流用は、仕様を確認してから判断してください。

両軸リールが向きにくい場面

非常に軽いルアーを投げる釣り、風の影響を強く受ける場所、キャスト操作に慣れていない状態でトラブルを減らしたい場合は、スピニングリールが候補になります。両軸リールを使うこと自体が目的にならないよう、仕掛けを無理なく扱える方を選ぶのが基本です。

選ぶときに確認したいポイント

釣り方とラインに合うサイズ・糸巻き量

まず、対象魚より先に、使うラインの種類・太さ・必要な長さを確認します。キャスト中心ならスプールの回転しやすさ、船釣りなら必要な水深と予備の糸巻き量が重要です。番手やサイズの数字はメーカーごとに意味が違うため、数字だけで横並びにしないでください。

ギア比と最大ドラグ力

ギア比が高いほど、ハンドル1回転あたりのライン回収量を増やしやすくなります。ルアーを速く回収したい釣りには高め、一定の力で巻き上げたい釣りには低めが候補です。最大ドラグ力は大きければよいわけではなく、ライン強度やロッドの許容範囲と合わせて確認します。

ブレーキ方式と調整のしやすさ

ブレーキには複数の方式があり、効き方や調整手順は製品ごとに異なります。初めてなら、説明書を見ながら外側から調整しやすいもの、釣り場で設定を変えやすいものが扱いやすいでしょう。ブレーキを弱くすれば必ず飛距離が伸びるわけではないため、トラブルが少ない設定から始めます。

右巻き・左巻きと使用環境

両軸リールは右ハンドル用と左ハンドル用が分かれている商品が多く、購入後の変更が難しい場合があります。利き手だけでなく、キャスト後にどちらの手でロッドを持ち続けたいかで選んでください。海で使うなら、海水対応の有無と、釣行後の洗浄・注油方法も確認します。

よくある質問

両軸リールとベイトリールは同じですか?

完全に同義として使われるわけではありません。両軸リールはスプールを左右で支える構造を指す広い呼び方で、ベイトリールはその中でもルアーキャスト向けの製品を指すことが多い言葉です。販売ページやメーカーによって表記が異なるため、名称だけでなく用途と仕様を確認してください。

両軸リールは初心者でも使えますか?

使えますが、最初はスピニングリールよりキャスト調整が必要です。ブレーキを強めに設定し、ロッドとリールに合った重さのルアーを使い、短い距離から練習するとトラブルを抑えられます。説明書にある初期設定を基準に、少しずつ調整しましょう。

スピニングリールから替えるとき、何をそろえればよいですか?

両軸リールは、リールを上側に載せるベイト用ロッドと組み合わせるのが基本です。リールだけを交換しても、ロッドのリールシートやガイド形状が合わないことがあります。リール、ロッド、ライン、ルアーの対応をまとめて確認してください。

まとめ

両軸リールは、スプールを左右から支え、スプールを直接回してラインを巻き取るリールです。キャストの正確さや巻き上げの力を生かしやすい一方、スプールの回転をブレーキとサミングで調整する必要があります。

狙った場所へルアーを投げたい、重めの仕掛けを力強く扱いたいなら両軸リールが候補です。軽い仕掛けを簡単に投げたい、まずトラブルを減らしたいならスピニングリールも有力です。釣り方、ライン、ルアーの重さ、使用環境を先に決めてから選ぶと、自分に合うリールを判断しやすくなります。

構造の説明は、ダイワの釣り入門・リール解説と、シマノの初心者向けリール解説も参考にしています。

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