
船タコ釣り用のリールは、何でもよいわけではありません。タコが底や障害物に張り付いたとき、仕掛けを安定して巻き上げられる剛性とパワーが必要です。
迷ったら、ベイトリールを基本に、PG・P系のギア、長めのシングルパワーハンドル、最大ドラグ力5kg以上、船宿指定のPEラインを巻ける糸巻量を確認しましょう。タコエギをキャストする釣りなら、ブレーキ機構も選定基準になります。
この記事では、船タコ釣り用リールに必要な性能を整理し、シマノ「ゲンプウXT 200PG」とダイワ「フネXT 150P-OP」を例に、選び方を解説します。価格や在庫、付属ラインの有無は販売時期で変わるため、購入時は販売ページの表示も確認してください。
船タコ釣り用リールは「底から離す力」で選ぶ
船タコ釣りでは、タコを掛けた直後に底へ張り付かせないことが重要です。魚のように走らせてドラグで受ける場面よりも、竿とリールで一定のテンションを保ちながら、底から離す操作が中心になります。
そのため、最大巻き取り速度だけを見てハイギアを選ぶより、負荷が掛かった状態でハンドルを回しやすいことを優先する方が判断しやすくなります。リール単体のスペックだけでなく、ロッドの硬さ、オモリやエギの重さ、PEラインの号数も合わせて考えましょう。
なお、「最大ドラグ力」はカタログ上の上限値です。実際の設定はライン強度、仕掛け、ロッド、船宿の指示に合わせ、最大値だけで無理に締め込まないでください。
船タコ釣り用リールに必要な5つの性能
1. 高負荷に耐えやすいボディ剛性
タコを底から引き離すときは、リールのフレームやギア周辺に負荷が掛かります。ボディがたわみにくく、ハンドルの力をスプールへ伝えやすい構造を選ぶと、巻き上げ時の不安を減らせます。
金属フレームは剛性を確認しやすい代表例ですが、素材だけで優劣が決まるわけではありません。リールの重量や価格、他の釣りへの流用も含めて、メーカーの製品情報で構造を確認しましょう。
2. PG・P系ギアと長めのシングルパワーハンドル
PGやP系のパワーギアは、一般にハンドル1回転あたりの巻き取り量を抑えて、巻き上げ時の力を確保する方向の設計です。船タコでは仕掛けの回収速度より、掛けた直後に力を込めて巻けることを重視しやすいため、最初の候補になります。
ハンドルは、握り込みやすい大型ノブと、短すぎないシングルタイプが使いやすい傾向です。ハンドルが長いほど必ずよいとは限らないので、リールの重量や手の大きさ、ロッドを持つ手との役割分担も確認してください。
3. 最大ドラグ力は5kg以上をひとつの目安にする
船タコ用リールを比較するときは、最大ドラグ力5kg以上をひとつの目安にできます。浅場の小型中心か、大型や根掛かりの多い場所かで必要な余裕は変わるため、5kgを合格ラインと決めつけず、釣り場の条件に合わせて選びます。
タコ釣りではドラグを強めに使う場面がありますが、ドラグを締めればリールだけで安全に引き抜けるわけではありません。根掛かりを無理に切らず、船長や周囲の指示に従って仕掛けを回収してください。
4. 船宿指定のPE号数と水深に合う糸巻量
糸巻量は、リールの番手より先に確認したい項目です。船宿からPE3号を指定されているなら、PE2号をたくさん巻けるリールでは代用できない場合があります。必要な号数を、狙う水深に余裕を持って巻けるかを確認しましょう。
目安としてPE2号200mやPE3号150mに対応する小型船用リールがありますが、必要な長さは船宿や釣り場で変わります。糸付きモデルを買うときも、糸の号数・長さ・種類が自分の釣りに合っているかを確認してください。
5. タコエギをキャストするならブレーキ機構も見る
船タコ釣りでタコエギを軽く投げる場合は、仕掛けを落とすだけの釣りよりもスプールの回転を制御する機構が役立ちます。ブレーキの有無だけでなく、仕掛けの重さに合わせて調整できるか、説明書どおりに設定できるかを見てください。
船下中心でキャストしないなら、ブレーキ機構よりも剛性・巻き上げ力・ライン容量を優先しても問題ありません。自分の投入方法を先に決めると、不要な機能に予算を使わずに済みます。
釣り方別に見るリールの選び方
船タコ釣り用リールは、狙うサイズだけでなく、仕掛けの入れ方と持ち方で選び方が変わります。次の表を、自分の釣り方を整理するための出発点にしてください。
| 釣り方・条件 | 優先する性能 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 浅場を手持ちで小突く | 自重、握りやすさ、巻き上げ力 | 長時間持てる重量か、ロッドと手が合うか |
| 大型や根掛かりの多い場所 | ボディ剛性、パワーギア、ドラグの余裕 | 最大ドラグ力だけでなく、ラインと仕掛けの強度 |
| タコエギをキャストする | ブレーキ、スプールの立ち上がり、糸巻量 | 仕掛けの重さに合うブレーキ設定ができるか |
| 他の船釣りにも兼用する | 左右ハンドル、ギア比、ライン容量 | タコ以外の釣りでドラグを使える設計か |
船タコ釣りにおすすめのリール2モデル
軽量性とコストを重視するならシマノ ゲンプウXT 200PG
シマノのゲンプウXT 200PGは、ギア比5.5、最大ドラグ力5kg、自重195g、PE2号200m、最大巻上長59cm、ハンドル長60mmという仕様です。メーカーは200PG・201PGについて、エギタコやヒラメなど負荷の高い釣りを想定したロングクランクハンドルを案内しています。
船下中心で使い、手持ちの軽さとパワーハンドルを重視する人に候補になります。一方、最大ドラグ力は5kgなので、大型狙いや強い根掛かりへの余裕を最優先する場合は、より高いドラグ力や金属フレームを持つモデルと比較してください。
シマノの公式スペックを確認しながら、まずは軽さと必要なPE号数を優先して選ぶなら、次のモデルが候補です。
剛性・ドラグ力・キャスト対応を重視するならダイワ フネXT 150P-OP
ダイワのフネXT 150P-OPは、スーパーメタルフレーム、ギア比4.8、最大ドラグ力9kg、標準自重220g、PE3号150m、60mmハンドルを備えたパワータイプです。公式情報では、大型EVAノブとMAGFORCEブレーキも案内されています。
PE3号を使う船宿や、底から離すパワー、タコエギのキャスト対応を重視する人に向きます。PE3号150mで足りるかは水深と船宿指定を確認し、深場や高切れの可能性まで考えるなら、必要な長さを満たす別モデルも比較しましょう。
剛性とドラグ力を優先し、付属ラインの号数・長さも確認して選ぶなら、次のモデルが候補です。
どちらも船タコに使える方向性を持ちますが、同じシリーズでも右巻き・左巻きや糸付きの有無が異なります。商品ページでは、型番の末尾まで確認してください。
購入前に確認したいチェックリスト
- 船宿の指定:PEラインの号数、必要な長さ、オモリやエギの重さを確認する。
- ハンドル方向:右巻き・左巻きの表記を確認し、利き手とロッド操作に合わせる。
- 糸付きの内容:PEの号数・長さ・編み数が表示どおりか確認する。
- 水深と回収量:船下だけでなく、流し方や高切れ時の余裕も考える。
- メンテナンス:釣行後は製品説明書の手順に従い、海水や汚れを落として乾燥させる。
特に中古品や旧モデルは、同じ商品名でも付属ラインや販売状態が違うことがあります。価格だけで決めず、販売ページに掲載された型番、仕様、付属品、保証を確認してから購入しましょう。
まとめ:まずはギア・ハンドル・ライン容量を絞り込む
船タコ釣り用リールは、次の順番で絞り込むと選びやすくなります。
- 船宿が指定するPE号数と必要な糸巻量を決める。
- 底から離す巻き上げ力を優先し、PG・P系ギアとシングルパワーハンドルを確認する。
- 大型や根掛かりの多い場所なら、ボディ剛性と最大ドラグ力の余裕を確認する。
- タコエギを投げるなら、ブレーキ機構とスプールの扱いやすさを加える。
軽さとコストを優先するならゲンプウXT 200PG、剛性・ドラグ力・キャスト対応を重視するならフネXT 150P-OPが候補です。最後は釣り場の条件と船宿の指定を基準に、型番とライン仕様まで確認して選びましょう。
製品仕様の確認先:シマノ公式 ゲンプウXT、ダイワ公式 フネXT。
















