用水路とは、川や池などから田んぼに水を引くために作られた水路のこと。上の写真は比較的水が綺麗な用水路ですが、中には年月の経過により汚くなってしまっている用水路もあります。
また、田んぼからの排水や、周辺の宅地からの排水を集めて流しているのが排水路。住宅街や都市を流れる水路はこちらです。
排水を流すという用途のため仕方ありませんが、排水路は汚い場合が多いですね。いくつかの排水路が集まってドブ川になっているところもよく見かけます。
(排水路のことを「用水路」と呼んでいる方も多いので、厳密には違いますが、記事タイトルでは便宜上、両方の水路を含めて用水路としています。)
そんな汚れた水路の近くを歩いているときに、水面に小さな魚がいるのを見つけたことがあるかもしれません。
あの小魚たちは何という種類の魚なのでしょうか。また、汚れた水の中で生きていられるのはどうしてなのでしょうか。
今回は、汚い用水路にいる小魚の種類や特徴、その生態と環境適応能力について。そして、よくある質問や回答も紹介します。
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汚い用水路にいる小魚はどんな魚?
汚い用水路にいる小魚と言っても、実は様々な種類の魚がいます。その中でもよく見かけるのは、メダカ、フナ、モツゴ、タナゴ、ウグイ、ハヤ、鯉など。海や川を遡ってくる魚もいますね。
これらの魚は、昔から日本に生息している魚たちで、川や池や沼地などに住んでいました。(外来種のブルーギルや、捨てられた観賞魚などもいますが。)
しかし、人間の土地開発や環境破壊によって自然環境での生息地が減少し、代わりに用水路や排水路などにも移り住むようになりました。
環境が大きく変わるにもかかわらず、彼らは驚くべき適応力を発揮して、汚れた水や低酸素な環境にも耐えるようになりました。
用水路の小魚の代表的な種類とその特徴
それでは、用水路にいる小魚たちの代表的な種類と、その特徴を見ていきましょう。
メダカ
メダカは体長3~5cmほどの魚で、日本人には馴染み深い魚ですね。古くから親しまれてきましたが、絶滅危惧種に指定されています。
減ってしまった理由としては、環境の悪化や、外来種による捕食などが挙げられます。
似た魚に、カダヤシという外来種がいるのは有名ですね。攻撃性が高く、在来種のメダカを追いやってしまうなど、かなり問題視されています。
そんなメダカですが、本来は丈夫で繁殖力も高く、水温や水質にもある程度適応できる魚。そのため、用水路だけでなく海水が交じる汽水域などでも見かけることがあります。
メダカは雑食性で、プランクトンや昆虫、水草など何でも食べます。
フナ
フナも昔から馴染み深い魚。体高があり、まるっとした姿は可愛いですね。祖父がよく釣りに行っていたイメージがあります。
フナにはギンブナやマブナ、ヘラブナなど、数多くの種類がいます。どれも似ているので、見分けるのは難しいかもしれません。
種類によって食べているものも異なり、ギンブナはイトミミズや昆虫などの動物、ヘラブナはプランクトンなどの植物を食べています。
モツゴ
モツゴは体長5~10cmほどの魚で、メダカに似た形をしています。クチボソとも呼ばれていますね。
元々暖かいエリアに生息していて、関西や四国、九州でよく見られる魚でした。現在は環境の変化により、東北や北海道でも確認されています。
これらからも分かる通り、環境の変化に適応できる強い魚。水草の影など、流れの弱いところを好むと言われていますが、コンクリートで固められた水路などにも生息しています。
臨機応変に、その場の適応して暮らしているんですね。
モツゴも雑食性で、プランクトンや昆虫、藻類などを食べます。
古くから日本では食用にもされていて、今でも佃煮の材料として使われていますよ。漁獲量が減っているので、佃煮を売っているのを見かけたらラッキーです。
タナゴ
タナゴは体長5~10cmほどで少し丸みを帯びた魚。形だけ見ると金魚に似た形をしています。
タナゴも水の流れが穏やかなところを好み、水草や流木などに隠れていることがおおいです。
他の魚は水草などに産卵することが多いのですが、タナゴは特殊で、二枚貝の中に産卵します。
そのため、タナゴ自体は様々な環境に適応できても、特定の二枚貝が生息できる環境にしか居ないという珍しい生態。
タナゴも例に漏れず雑食性で、プランクトンや昆虫、水草などを食べます。
小物釣りのターゲットとしても人気ですね。タナゴ釣り専用の仕掛けがあるくらいです。
コイ
コイは体長30~100cmほどにまで成長する魚で、野生のものは黒っぽい色をしています。
コイは大きい体ですが、流れの弱いところを好みます。また雑食性で、エビや昆虫、貝、小魚などを食べます。
実は鯉には胃袋がなく、食道が直接肛門に繋がっています。そのため、ずっとエサを探しているんですね。
コイは日本では観賞魚としても人気がありますが、なんと元々は食用魚。ただの食用ではなく、薬のような効果がある薬用魚として昔は重宝されていました。
用水路の魚たちの生態と環境への適応
用水路の小魚たちは、汚れた水や低酸素環境に耐えるために、さまざまな進化を遂げています。
例えば、
- メダカは皮膚呼吸や口呼吸をすることで低酸素環境でも生きられる
- ドジョウは皮膚や口だけでなく肛門からも呼吸もすることで、より低酸素の環境でも生きられる
- モツゴは体表面に粘液を分泌することで汚れた水から自分の身を守る
- タナゴは体色を変えることで周囲の環境に溶け込む
- コイは体内に脂肪を蓄えることで冬の寒さに耐える
これらの生態と環境への適応能力は、用水路の魚たちが長い間生き残ってきたことを裏付ける大きな証拠ですね。
用水路の小魚に関するよくある質問と回答
最後に、用水路の小魚に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q. 用水路の小魚は食べられるの?
A. 原則として、食べられません。
用水路の小魚は、水質が悪く、病原菌や重金属などの有害物質が含まれている可能性が高いです。また、釣りや捕獲も禁止されている場合があります。
したがって、用水路の小魚を採取して食べるのはおすすめしません。採った魚を食べたい場合は、近くの川などで釣りをしましょう。
Q. 用水路の小魚はペットにできるの?
A. できる場合もありますが、おすすめしません。
用水路の小魚は野生化しているため、飼われることに慣れていない可能性が高いです。また、環境の管理も難しいです。
また、カダヤシやブラックバスなど、特定外来生物に指定されている外来種は、飼うどころか生きたまま持ち運ぶことが法律で禁止されています。
間違って採ってきた場合も、元いた場所に逃がすだけで、違法な放流になってしまいます。
したがって魚を飼いたい場合は、ペットショップなどで販売されている熱帯魚などを選びましょう。
Q. 用水路の小魚はどうやって増えているの?
A. 用水路の小魚は、繁殖力が高く適応力が強いため、増えやすいです。
用水路はその用途から、様々な場所につながっています。なので、そこから各地に移動していきます。
さらに、きれいな川などに比べて隠れられる場所も多く、天敵に見つかる可能性も少ないため、生存率も高いです。
これらの要因によって、用水路の小魚はどんどん増えています。
まとめ
今回は、用水路にいる小魚の種類と特徴、生態と環境への適応能力、そしてよくある質問と回答を紹介しました。
用水路の小魚は、汚れた水や低酸素環境に耐えて生きています。彼らの強さは、貴重な生物多様性を示してくれています。
しかし、土地開発や環境破壊によって今後もどんどん魚たちの生きていける環境は減っていくかもしれません。用水路の近くを歩くときは、小さな魚たちにも目を向けてみてください。
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コメント
記事の写真では汚い用水路には見えませんが、どのレベルの話でしょうか?
場所によってはカダヤシやアメリカザリガニといった特定外来生物が多くいる事や、
これらの飼育に関しても禁止や制限があります。
用水路は川から引き込む農業用水や工業用水や生活用水などです。そんなに汚染されているなら使用出来ません。地方に行くと鯉などが泳いだり野菜を洗ったりしてますよ。