釣りにおいて、魚にエサと勘違いさせて釣り針に食いつかせるために使う道具を「疑似餌」と呼びます。
疑似餌にはさまざまな種類がありますが、その中でも最もポピュラーなのが「ルアー」。
ルアーとは、小魚や虫などの形態・動き・色などに似せて作られた疑似餌のこと。
水中で揺らしたり引っ張ったりすることで自然な動きを再現します。
本来の英語での「ルアー」は、「疑似餌」と同じ意味。
ですが、日本ではもう少し細かくカテゴライズされており、ルアー以外にも多くの疑似餌が存在します。
それぞれに特徴や使い方があります。
ルアー以外の代表的な疑似餌
ルアー以外の代表的な疑似餌としては、以下のようなものが挙げられます。
エギ
エギとは、イカを対象とした疑似餌。
エギングと呼ばれる釣法では、エギを水中でジャークさせたり沈めたりすることでイカに興味を持たせます。
フライ
フライとは、毛や羽根などを使って虫や小動物を模した疑似餌。
フライフィッシングと呼ばれる釣法では、フライロッドという長くしなやかな竿を使ってフライを水面上から投げ入れます。
フライにはドライフライ(浮かせるタイプ)とウェットフライ(沈めるタイプ)があります。
サビキ
サビキとは、小型の回遊性の海水魚(サバ・アジ・イワシなど)を対象とした疑似餌。
サビキ仕掛けと呼ばれる仕掛けでは、一つの仕掛けから複数本(5~10本程度)のハリスが出ており、それぞれに小さな羽根やビーズが付いています。
サビキ仕掛けでは一度に複数匹の魚を釣ることが可能です。
ルアーと他の疑似餌の違い
ルアーと他の疑似餌の違いは主に以下の点です。
対象魚種
ルアーは主に肉食性または雑食性の魚(バス・シーバス・ブラックバス・ヒラメなど)を対象としています。
他の疑似餌も、基本的には特定の魚種に特化したものが多いです。
動き方
ルアーは釣り人が竿やリールで操作することで水中で様々な動きをします。
例えば、ワームと呼ばれるルアーでは、底を引きずったり跳ねさせたりすることで魚にアピールします。
他の疑似餌では水流や重力に任せて自然な動きをさせるものもあります。
見た目
ルアーは金属やプラスチックなどの人工的な素材で作られており、色や形も多彩。
一方、他の疑似餌は毛や羽根などの天然素材でも作られており、色や形も自然に近いものが多いです。
ルアーやその他疑似餌で釣れる魚
疑似餌で釣れる魚はその種類によって異なりますが、一般的に以下のような傾向があります。
ルアー
ルアーでは肉食性または雑食性の魚が釣れやすいです。
特に、小魚や虫などを捕食する魚がルアーに反応します。
例えば、バス・シーバス・ブラックバス・ヒラメなどがルアーでよく釣れます。
エギ
エギではイカやタコが釣れます。
イカやタコはエギの動きに興味を示し、触手で絡め取ろうとします。
その際にエギの胴体にある針に引っかかります。
フライ
フライではヤマメ、イワナ、トラウトなどの淡水魚が釣れます。
ヤマメ、イワナ、トラウトなどは水面付近で虫などを捕食することが多いため、フライの動きや色に反応します。
サビキ
サビキでは小型の回遊性の海水魚が釣れます。
サバ・アジ・イワシなどは群れで泳ぎ、羽根やビーズなどの光るものに興味を示します。
そのため、サビキ仕掛けで一度に複数匹を釣ることができます。
疑似餌でうまく釣れない理由
疑似餌でうまく釣れない理由はさまざまですが、以下のような点に注意すると改善される可能性があります。
対象魚に合わせて疑似餌を選んでいるか
疑似餌は対象魚の好みや生態に合わせて選ぶ必要があります。
底にいる魚を狙っているのに、浮いているルアーを使っても釣れません。
疑似餌を用いた釣りで大切なのは、狙っている魚に合わせて疑似餌を選ぶことです。
また、疑似餌の大きさや色も対象魚のサイズや活性に合わせて変えると効果的。
もう一つ重要なのが、様々な条件を試してみることです。
エサを用いた釣りなら、魚の方から食べにきてもらえますが、ルアーなどではそうはいきません。
釣れない場合は、釣り方を変えてみたり、ルアーを変えてみたり、場所を変えてみたりします。
疑似餌の操作方法
疑似餌はただ投げて引くだけではなく、釣り人が操作することで水中で自然な動きをさせる必要があります。
例えば、ルアーでは竿先やリールでジャークしたりストップしたりすることで小魚や虫のような動きを再現します。
エギでは沈下速度など調整することでイカやタコがエサに見えるようにします。
フライでは水面上からフライロッドでフライを投げ入れることで虫が水面に落ちたような効果を出します。
サビキでは仕掛けを上下させたり揺らしたりすることで羽根やビーズが光るようにします。
釣り場の状況
釣り場の状況も疑似餌の釣果に影響します。
例えば、水温・潮回り・風向き・天候などが対象魚の活性や移動パターンに影響します。
また、釣り場に他の釣り人が多い場合は釣れにくくなるため、仕掛けやエサ、釣り方を変えて、他と差別化する工夫が必要です。
コメント
アジを狙った土佐カブラはどちらに分類されますか?重りの着いた鈎に魚皮を付けている日本の伝統的な仕掛けです。
エギも日本の伝統漁法で餌木から来ているのだと言う話ですが、疑似餌ではなくルアーですか?
サビキ釣りも針に餌はついておらず、竿をさびいて(アクションをいれて)魚に誤認させて食いつかせるのでルアーの分類になると思っています。
自分は識別するならばルアーとは海外から入ってきた疑似餌の総称だと認識しています。
カツオやマグロの一本釣り等で用いる羽付き鈎も疑似餌だと思っています。でも釣り方はルアーと同じです。
あと、魚は初めから小魚を食べていません。プランクトン類(オキアミやゴカイなどの多毛類)です。なので同じ魚種(例えばアジ)でも魚の成長具合によってサビキに掛かったりワームに掛かったりプラグにかかったリします。
疑似餌とルアーのはどちらも魚に誤認させて食いつかせる釣り方の為、線引きはかなり難しいので、餌釣りと疑似餌釣りの違いにしといた方が良いと思います
コメントいただきありがとうございます。
ご指摘の通り、疑似餌という単語にルアーやエギ、弓角なども含まれているという認識が正しいと思います。
もう少し記事内容を加筆修正すべきかもしれません。
タイトルに関しては、「疑似餌とルアーの違い」という検索で当サイトに訪れる方が多かったので、
検索性を高めようとしたのですが、意味が曖昧になってしまいました。
恥ずかしながら「土佐カブラ」は存じておらず、勉強になりました。
貴重なご意見、ありがとうございました!