
ビーストマスター2000EJは、電動ジギングと中深場の船釣りを1台でカバーしたい人に向く電動リールです。EJモードで巻上げと停止を組み合わせられるうえ、PE3号を500m巻ける容量と、GIGA-MAX MOTOR・強化ギアシステムによるパワーを備えています。
ただし、ここで扱うのは19ビーストマスター2000EJです。現在のシマノ公式サイトでは後継のビーストマスター2000が案内されているため、新品と中古を比べるときは「2000」と「2000EJ」を同じ仕様だと思わないことが大切です。
ビーストマスター2000EJはどんな電動リールか
19ビーストマスター2000EJは、一般的な船釣り用の電動リールというより、電動ジギングまで視野に入れて設計された2000番です。シマノ公式の仕様では最大ドラグ力15kg、最大巻上速度215m/分、実用巻上持久力9.5kg。PEラインは3号500m、4号400m、5号300mを巻けます。
この容量なら、深さのある中深場でラインを多めに出す釣りや、電動で広いタナを探る釣りに対応しやすくなります。一方、番手が大きいほど太いラインを大量に巻けるわけではありません。超深場や、より太いPEラインを使う大型魚狙いでは、3000番以上の電動リールも候補に入ります。
つまり2000EJは「どんな大物でも対応するリール」ではなく、PE3〜5号を中心に、速度と操作性を活かして攻めるためのパワー系2000番と考えると選びやすいでしょう。
ビーストマスター2000EJの主なスペック
購入前に確認したい仕様を表にまとめます。糸巻量はラインの銘柄や巻き方で実際の収まりが変わるため、下表はシマノ公式の公称値を基準にしてください。
| 項目 | 19ビーストマスター2000EJ |
|---|---|
| 品番 | 2000EJ |
| ギア比 | 5.1 |
| 最大ドラグ力 | 15kg |
| 自重 | 690g |
| PE糸巻量 | 3号-500m、4号-400m、5号-300m |
| 最大巻上長 | 70cm/ハンドル1回転 |
| 実用巻上持久力 | 9.5kg |
| 最大巻上速度 | 215m/分 |
最大ドラグ力15kgは、リールが耐えられる上限の目安です。実際のドラグ設定は、PEライン、リーダー、ロッド、フック、対象魚、船長の指示を合わせて決めます。数値だけを見て最大まで締め込む使い方は避けてください。
深場の大物釣りに向く3つの理由
1. EJモードで電動ジギングの動きを作れる
2000EJの中心的な機能が、巻上スピード、巻上時間、停止時間を組み合わせるEJモードです。手巻きのワンピッチジャークをそのまま再現するものではありませんが、一定の動きを繰り返しやすく、同じパターンを試すときに役立ちます。
深場では、ジグや仕掛けを回収するだけでも時間と体力を使います。電動で一定区間を探りながら、反応があった速度や停止時間を再現できる点が、2000EJを選ぶ理由になります。最初から速さを上げ切るのではなく、ロッドの曲がりとジグの動きを見ながら調整するのが基本です。
2. GIGA-MAX MOTORと強化ギアシステムを搭載する
GIGA-MAX MOTORはブラシレス構造のモーターで、シマノは2000EJについて最大巻上速度215m/分、シマノ巻上力68kgを公表しています。モーターを止めたときにスプールを止めやすいことも、電動ジギングでラインスラックを作る操作につながります。
モーターの力を受ける強化ギアシステムは、従来のビーストマスター2000と比べて耐久性を高めた部分です。とはいえ、強化ギアだから無理な巻上げを続けてよいわけではありません。根掛かりをモーターで外したり、ドラグを締めたまま魚を強引に寄せたりする使い方は、リール以外のタックルにも負担をかけます。
3. 深い水深に対応しやすい糸巻量と情報機能
PE3号500mの容量は、250m前後の中深場を狙う場面でもラインの余裕を取りやすい設定です。PE4号400m、PE5号300mという選択肢もあるため、潮の速さや魚の大きさに合わせてラインを決められます。
探見丸に対応した船では、リールの画面に水深や海底形状などを表示できます。ACCU-FISHに対応した親機搭載船であれば魚群水深表示も利用できますが、すべての船で同じ情報が表示されるわけではありません。予約時に船宿へ対応状況を確認しましょう。
ビーストマスター2000EJの使い方
使用前にバッテリーとラインを確認する
ビーストマスター2000EJ本体にリチウム電池が内蔵されているわけではありません。リールの性能を引き出すには、シマノが推奨する大容量バッテリーなど、対応する電源を用意します。バッテリーとケーブルは、容量だけでなく端子や使用条件も確認してください。
ラインは狙う水深だけで決めず、対象魚の引き、根の有無、潮の速さ、リーダーの長さまで含めて選びます。公式の目安はPE3号500m、4号400m、5号300mですが、60lbのフロロリーダーを4.5m巻く場合は、PE3号440m、4号330m、5号260mが目安です。
糸巻学習と0セットを先に済ませる
カウンターを正しく使うには、指定方法でラインを巻き、糸巻学習を行います。巻き量が曖昧な中古品をそのまま使うと、水深表示と実際のライン量がずれることがあります。巻き直したときは、取扱説明書に沿って再設定しましょう。
釣り場では、仕掛けやジグが水面にある状態を0mとして登録する0セットも重要です。0セットが合っていれば、表示水深を基準にタナを取りやすくなり、船べり停止などの電動リールの機能も使いやすくなります。
最初は低速・短時間からEJモードを調整する
EJモードは、巻上速度、巻上時間、停止時間を一度に決める機能です。初めて使うときは、低めの速度と短い巻上時間から始め、ロッドの反発、ジグの移動距離、潮の抵抗を見て調整します。
- 水深と底の形状を確認し、根掛かりしにくいタナから始める
- 短い巻上げと停止を組み合わせ、ジグがどの程度動くか確認する
- 反応が出た速度・巻上時間・停止時間をメモし、同じ条件を再現する
- 魚が掛かったら、設定速度だけに任せずロッドとドラグで負荷を調整する
魚の活性や潮は毎回変わります。メーカーの設定例や他人の数値をそのまま正解にせず、その日のタックルと船の指示に合わせてください。
ヒット後はリールの最大値よりタックル全体を見る
最大ドラグ力15kgは大きな安心材料ですが、PEラインやリーダー、結束、フックが15kgに耐えるとは限りません。魚が走るときはドラグを滑らせ、魚が止まったら一定のテンションを保って巻きます。船べりでは竿を立てすぎず、取り込みまでの動線も確保しておきましょう。
電動リールは巻上げを任せられる反面、負荷の変化に気づきにくいことがあります。電動巻上負荷表示やドラグ音を確認し、異常な音・発熱・巻上げ停止があれば操作を中断して点検してください。
ビーストマスター2000EJの選び方と注意点
まず狙う水深とPE号数を決める
2000EJを選ぶか迷ったら、最初に狙う魚ではなく、必要なPE号数と水深を決めます。PE3号を500m巻きたいのか、PE5号を300m巻けば足りるのかで、同じ2000番でも余裕が変わるからです。
- 電動ジギング・中深場:速度と操作性、PE3〜4号の容量を重視する
- 太いラインの大型魚:PE号数と必要な糸巻量を先に確認し、上位番手も比較する
- 沖イカやライト泳がせ:必要な水深、仕掛けの重さ、回収速度とのバランスを見る
「深場」という言葉だけで2000EJを決めるのではなく、実際に乗る船の水深・オモリ・PE指定を確認してから選ぶのが安全です。
現行ビーストマスター2000と混同しない
シマノ公式では、ビーストマスター2000EJがモデルチェンジしてビーストマスター2000になったと案内されています。現行モデルにも電動ジギング対応のNEW EJモードなどがありますが、旧2000EJと機能名や仕様がすべて同じとは限りません。
新品を検討する場合は現行モデルの公式仕様を確認し、中古の2000EJを検討する場合は、商品名に「2000」とだけ書かれていないか、品番が2000EJか、付属品が揃っているかを確認しましょう。
中古購入ではモーター以外も点検する
中古の2000EJは、モーターが動くかだけで判断できません。次の項目を出品者や販売店に確認してください。
- 電源を入れたときの液晶表示、ボタン、テクニカルレバーの反応
- 低速から高速までの巻上げ、停止、異音、異常な発熱
- クラッチ、スプールの回転、レベルワインド、電源端子の状態
- 使用歴、浸水・塩噛みの有無、修理歴、保証や部品供給の確認
- 電源ケーブル、取扱説明書、箱など付属品の有無
年式のある電動リールでは、購入価格だけでなく、点検や消耗品交換の費用も含めて判断します。
よくある質問
ビーストマスター2000EJは深場釣りに使えますか?
PE3号500m、4号400m、5号300mの糸巻量があるため、200〜300m前後の中深場や、電動で広いタナを探る釣りに使いやすいモデルです。ただし必要なライン量は潮や仕掛けで変わります。300mを超える深場、太いPE、大型魚を主目的にする場合は、上位番手と比較してください。
電動ジギング以外にも使えますか?
使えます。シマノ公式の解説では、アカムツ、クロムツ、スルメイカ、ヤリイカ、ライト泳がせなどにも対応するモデルとして紹介されています。釣り物ごとに必要なライン、仕掛け、ロッド、ドラグ設定が変わるため、電動ジギング用の設定をそのまま流用しないことが大切です。
探見丸はどの船でも使えますか?
探見丸の親機を搭載した船で使える機能です。魚群水深表示やACCU-FISHは、対応する親機搭載船でなければ利用できません。予約前に船宿へ、探見丸の利用可否と対応機能を確認してください。
新品と中古のどちらを選ぶべきですか?
新品なら現行ビーストマスター2000の保証・仕様を確認し、中古なら19ビーストマスター2000EJの状態と価格を見ます。2000EJのEJモードや旧モデルの仕様を目当てにするなら中古が候補になりますが、使用頻度が高い人や修理の安心感を重視する人は、現行モデルとの価格差も含めて比較してください。
まとめ:2000EJはライン容量と電動ジギング機能で選ぶ
ビーストマスター2000EJは、PE3号500mを巻ける容量、最大15kgのドラグ、最大215m/分の巻上速度、EJモードを備えた電動ジギング対応の2000番です。GIGA-MAX MOTORと強化ギアシステムを活かして、中深場の船釣りや電動で広く探る釣りに向いています。
一方で、最大ドラグ力や巻上速度だけで選ぶと、ラインやロッドが合わないことがあります。狙う水深、PE号数、対象魚、船の探見丸対応、バッテリーを先に確認し、現行ビーストマスター2000との違いも見比べて選びましょう。
仕様の確認には、シマノ公式のビーストマスターシリーズページと、19ビーストマスター2000EJの取扱説明書を使うと確実です。


