
エギングのシャクリで気持ち悪くなるときは、シャクリそのものだけが原因とは限りません。岸からの釣りなら、頭や視線を繰り返し動かすこと、暑さ・脱水・空腹・疲れ、呼吸の乱れなどを切り分けます。船上なら、海の揺れによる乗り物酔いも候補です。
まずはシャクリを小さくしてフォール中に休み、水分と軽い食事を準備しましょう。船では遠くの水平線を見ることも役立ちます。この記事では、原因の見分け方、酔わないためのシャクリのコツ、症状が出たときの中止ラインを整理します。
エギングのシャクリで気持ち悪くなるのはなぜ?まず原因を切り分ける
「シャクリをすると気持ち悪い」と感じても、岸からのエギングと船・ボートエギングでは最初に疑う原因が違います。岸の上に立っている場合、船のように足元が連続して動くわけではないため、シャクリだけで船酔いが起きると決めつけることはできません。
一方で、近い竿先やラインを見ながら頭を上下させたり、海面と足元へ視線を頻繁に切り替えたりすると、視覚情報と体の感覚が合わず、不快感につながる可能性があります。暑さ、汗による水分不足、空腹や満腹、寝不足、強いにおい、力みも重なると、吐き気やふらつきを感じやすくなります。
| 状況 | 考えやすい要因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 岸でシャクリを続けた後だけ | 動作の大きさ、視線の近さ、力み、暑さや疲労 | 動作を止め、遠くを見て水分と休憩を取る |
| 船が揺れると悪化する | 揺れによる乗り物酔い | 水平線を見て、頭を安定させ、乗組員へ伝える |
| 釣り場に着いた時点でつらい | 寝不足、空腹・満腹、暑さ、におい、体調不良 | 無理に始めず、体調を整えられるか判断する |
| 釣り以外でも繰り返す | 乗り物酔い以外の体調・耳や神経の問題など | 釣りを中止し、医療機関へ相談する |
CDCは乗り物酔いについて、内耳の前庭感覚、視覚、体の動きに関する情報の不一致が関係するという説明を紹介しています。これは岸釣りの吐き気をすべて説明するものではありませんが、近距離を凝視しながら頭を動かすとつらい人が、視線と動作を調整する理由になります。
シャクリで気持ち悪くなりやすい操作のパターン
エギングでは、シャクリでエギを動かした後にフォールで見せるのが基本です。シャクリを続けること自体が目的ではないため、次のような操作になっていないか確認してください。
- 大きく速い動作を連続させる:竿を高く振り上げる動きを何度も繰り返すと、肩や腕が早く疲れます。
- 竿先や足元を凝視する:近い場所へ視線を固定したまま頭を上下させると、気分の悪さが増す人があります。
- 息を止めて力む:アタリを見ようとして肩や首に力が入り、呼吸が浅くなると、動作後に息苦しさや不快感が出ることがあります。
- フォール中も休まない:エギを沈める時間まで急いで巻いたり、すぐ次のシャクリに移ったりすると、体を戻す時間がなくなります。
これらは「シャクリが病気を起こす」という意味ではありません。気持ち悪さが出るタイミングと操作を照らし合わせ、負荷を下げるためのチェック項目です。
酔わないためのシャクリのコツは小さく短く、フォールで休むこと
気分が悪くなりやすい人は、最初から大きなシャクリを何度も入れず、エギが動く最低限の操作から始めると調整しやすくなります。SHIMANOのエギング解説でも、シャクリの後はラインの状態を整え、竿先を安定させながらフォールさせる流れが説明されています。
- 足場と周囲を確認し、体をひねらず正面を向いて構える。
- 小さなシャクリを1〜2回入れ、腕だけで強く振り上げない。
- ラインを張り過ぎないように整え、フォール中は竿先を安定させる。
- 近い竿先を凝視し続けず、ときどき遠くの海面や水平線へ視線を移す。
- 気分が悪くなる前に、シャクリの回数・高さ・速さのどれか一つを下げる。
「小さくする」と釣れなくなるとは限りません。エギを動かす時間と沈めて見せる時間を分け、反応がなければテンポやレンジを一つずつ変えれば、体への負荷を抑えながら探れます。症状が出た後に練習を続ける必要はなく、いったん竿を止めることを優先してください。
岸からのエギングで気持ち悪いときの体調・環境対策
岸釣りで気持ち悪くなった場合は、シャクリのフォームだけでなく、その日の体調と環境を確認します。次の準備は特別な道具を増やさずにできる対策です。
- 睡眠を取る:寝不足のまま出発せず、体調が悪い日は釣行時間を短くするか中止します。
- 空腹と満腹を避ける:何も食べずに動き続けるのも、出発直前に食べ過ぎるのも避け、消化しやすい軽食を準備します。
- 水分を持つ:喉が渇く前に少しずつ飲み、暑い日は日陰や風通しのよい場所で休みます。
- においと熱を避ける:強いにおいがこもる場所から離れ、帽子や衣服で直射日光を調整します。
- 安全な場所で休む:テトラポッドや濡れた磯の端で無理に座り込まず、移動できる足場で休憩します。
めまいが強い、立っていられない、冷や汗が出る、意識がぼんやりするなどの変化があれば、釣りを続けないでください。同行者へ声をかけ、涼しい場所へ移動し、必要なら救助や医療機関への連絡を依頼します。
船やボートのエギングなら船酔い対策を優先する
ティップランなど船上のエギングでは、シャクリの動作に加えて船の揺れが続きます。船が揺れるときに悪化するなら、岸釣りのフォームだけでなく乗り物酔いへの対策を優先しましょう。
- 水平線や遠くの固定物を見る:近い竿先やスマートフォンを見続けず、視線を遠くへ逃がします。
- 頭を安定させる:波に合わせて首を大きく動かさず、無理のない姿勢で体を支えます。
- 揺れにくい場所を確認する:船の構造や波によって条件は違うため、船長や乗組員に相談します。
- 風通しを確保する:つらいときは早めに甲板の安全な場所へ移り、船べりや足元の危険に近づき過ぎないようにします。
- 薬は事前に確認する:酔い止め薬を使う場合は、製品の説明書、体質、服用中の薬、眠気の注意を薬剤師や医師に確認します。
国土交通省の資料でも、船酔い対策として睡眠や体調管理、空腹を避けること、揺れの少ない場所を選ぶことなどが案内されています。薬を飲めば必ず酔わないとは限らないため、早めに乗組員へ伝え、休める状態を作ることが重要です。
シャクリ中に気持ち悪くなったら、その場でやること
気分が悪くなった瞬間に「あと数投だけ」と続けると、吐き気やふらつきが強くなり、転倒や落水につながるおそれがあります。次の順番で動作を止めます。
- シャクリを止める:エギを回収する場合も、周囲を見て安全を確保してからゆっくり行います。
- 足場を確保する:磯や堤防の端から離れ、同行者に「気持ち悪い」と伝えます。
- 遠くを見る:岸では水平線や遠くの固定物、船では安全な範囲で外の景色を見ます。
- 呼吸と水分を整える:締め付けの少ない姿勢でゆっくり呼吸し、吐いていなければ水分を少しずつ取ります。
- 再開を急がない:改善しなければ終了し、船上ならすぐ乗組員へ、岸なら安全に帰れる手段を確認します。
横になる方が楽な場合でも、海辺の危険な場所で無理に寝ないでください。船上では乗組員の指示に従い、岸では安全な休憩場所や車内など、転倒・落水を避けられる場所を選びます。
釣りを中止して受診を考えたい症状
エギング中の吐き気が休憩でおさまらない、釣りをしていない日にも同じ症状がある、回数を重ねるほど強くなる場合は、シャクリや船酔いだけが原因とは限りません。無理に釣り方を変えて解決しようとせず、医療機関へ相談してください。
特に、強い頭痛、回転するようなめまい、意識がぼんやりする、何度も吐いて水分を取れない、胸の痛み、息苦しさ、立っていられないほどのふらつきがある場合は、釣りを中止して周囲へ助けを求めます。症状が急に強い場合や危険が迫っている場合は、地域の緊急窓口へ連絡してください。
受診する際は、岸か船か、発症までの時間、シャクリの回数や強さ、食事・睡眠・暑さ、水分、服用した薬、吐き気以外の症状を伝えると状況を説明しやすくなります。
まとめ:シャクリを弱め、休みながら原因を切り分ける
エギングのシャクリで気持ち悪くなったときは、シャクリだけを原因と決めつけないことが大切です。岸からなら、動作の大きさ、視線、呼吸、暑さ、脱水、空腹、睡眠不足を順に確認します。船上なら、海の揺れによる乗り物酔いを前提に、水平線を見る、頭を安定させる、揺れにくい場所を選ぶといった対策を優先します。
シャクリは小さく短くし、フォールでエギを見せながら体を休めてください。気分が悪くなったら再開より中止を優先し、症状が続く・強い・釣り以外でも起きる場合は医療機関へ相談しましょう。
参考情報
- SHIMANO「実釣編(エギング)」(シャクリとフォールの基本)
- CDC Yellow Book「Motion Sickness」(乗り物酔いの仕組みと行動対策)
- 国土交通省「船酔い対策」資料(乗船前の体調管理と船上での対策)
- 水産庁「体験乗船に参加される方への注意事項」(食事・睡眠・酔い止め薬の注意)


