
結論からいうと、関東でもサンマが沿岸へ寄ったタイミングなら釣れる可能性があります。ただし、北海道や東北の一部で知られる岸からのサンマ釣りとは違い、関東では毎年安定して狙える定番魚とはいえません。釣行前に来遊情報と釣り場のルールを確認し、回遊が見込める日に絞るのが現実的です。
この記事では、常磐から銚子・外房にかけての太平洋側を候補に、関東でサンマを探す時期、場所の選び方、サビキ仕掛け、釣行前の確認事項を整理します。
さんま釣りは関東でできる?
関東でサンマ釣りが成立するかどうかは、釣り人の技術よりもサンマの回遊と接岸に大きく左右されます。サンマは北太平洋を広く回遊する魚で、秋以降に日本近海へ南下してきますが、魚群がすべて沿岸へ入るわけではありません。
水産研究・教育機構は、近年のサンマについて分布の沖合化や資源量の変化を報告しています。つまり「秋だから関東の港で必ず釣れる」とは考えず、海域に魚群が近づいているかを確認してから釣り場を決める必要があります。
岸から釣るなら、最新の釣果情報が出ている管理釣り場や堤防を優先します。釣況が確認できないまま遠方の港へ行くと、サンマが沖にいる、立入禁止になっている、釣りが認められていないというケースもあるためです。岸釣りの情報が少ない時期は、サンマを対象に掲げる遊漁船の出船情報を調べる方が、釣行の判断をしやすくなります。
関東で狙いやすい時期と2026年の来遊見通し
一般的な目安は、サンマが日本近海へ南下する秋から晩秋です。ただし、これは「関東の岸から釣れる期間」ではなく、あくまで日本近海へ来遊しやすい季節の目安です。水温や海流、魚体の状態によって、沿岸へ近づく時期と場所は年ごとに変わります。
直近の目安として、2026年9月29日に公表された漁業情報サービスセンターのサンマ中短期予報では、常磐海域は10月上旬から11月上旬まで魚群の来遊がなく、11月中旬に低位水準で増加する見通しとされています。これは棒受網漁業を対象にした漁況予報であり、岸釣りの釣果を保証する情報ではありませんが、関東で狙う時期を考える材料になります。
釣行日を決めるときは、次の順番で確認します。
- 水産研究・教育機構や漁業情報サービスセンターの最新の来遊情報を見る
- 目的地の釣具店、管理施設、遊漁船が出している直近の釣果を見る
- 風向き、波、うねり、施設の開場状況を確認する
- サンマが接岸している情報がなければ、釣行先や対象魚を変更する
公式予報が更新されても岸際の状況は短時間で変わります。出発前と現地到着後の2回、釣りができる状態かを確かめてください。
関東のさんま釣りで候補になる場所
関東で候補にしやすいのは、常磐から銚子・外房にかけての太平洋側です。サンマの回遊を沿岸で待つなら、次の条件を満たす場所から探します。
- 外洋に面し、沖からの潮が入りやすい
- 堤防の先端や角など、潮通しが期待できる
- 管理者が釣りを認め、立入範囲と利用時間が明確になっている
- 直近にサンマ、または同じ表層回遊魚の情報がある
反対に、港内の奥まった場所だけを見て「サンマがいない」と判断するのは早計です。群れが港内へ入る年も考えられますが、回遊が沖を通っているだけなら、港の足元を探っても反応は出ません。港の名前だけで選ぶのではなく、当日の魚群の位置と釣り人が入れる範囲を確認しましょう。
なお、公開されている漁況予報の「常磐海域」は漁業上の海域区分です。そこに魚群が来る見通しがあっても、近くの堤防で釣れることを意味しません。岸から狙う場合は、予報を広い目安として使い、釣り場の直近情報で最終判断します。
さんま釣りの仕掛けと釣り方
関東の岸からサンマを探すなら、まずは小さめのサビキ仕掛け、またはジグサビキを準備します。群れが近ければ足元のサビキ、沖側を回遊しているならウキを使った遠投サビキやジグサビキというように、魚との距離で使い分けます。
基本の組み立て
- 竿とリールは、使用するカゴ・オモリ・ウキの総重量が適合範囲に入るものを選ぶ
- サビキ仕掛けは針先やハリスに傷がないかを確認し、予備も用意する
- 遠投する場合は、仕掛けを一直線に伸ばし、周囲を確認してから投入する
- 着水後は表層から探り、反応がなければ中層へ少しずつレンジを下げる
サンマを狙うときは、最初から深いタナを決め打ちしません。水面のざわつき、魚の跳ね、鳥の動きなどが見えるなら、その層の少し下を通します。目印がない場合は表層から短い間隔で探り、同じ場所で粘りすぎないことが大切です。
コマセを使う場合は、魚を寄せる前に釣り場のルールを確認します。千葉県の陸釣りでは、まき餌は必要最小限とされ、集魚灯は使用できません。都道府県や施設によって扱いが異なるため、一般的なサビキ釣りの感覚で判断しないでください。
沖側を探るための完成仕掛けを準備したい場合は、遠投サビキの構成を確認できる次の商品が候補になります。サンマ専用と決めつけず、竿の適合負荷、ウキとカゴの組み合わせ、釣り場のルールを確認して使います。
群れが岸から離れている日に遠投サビキを試すなら、組み立ての手間を減らせる完成仕掛けが候補です。
釣行前に確認したい情報と安全対策
サンマ釣りは魚の有無だけでなく、釣り場を利用できるかどうかの確認も必要です。水産庁は、海面の遊漁について都道府県の漁業調整規則などにより、使用できる漁具・漁法、禁止区域、禁止期間などが定められると案内しています。
千葉県では、海面で遊漁に使用できる漁具・漁法を示しており、竿釣・手釣などが対象です。まき餌の使用量や区域ごとのルールも案内されているため、銚子・外房方面へ向かうときは千葉県の遊漁ルールを出発前に確認してください。茨城県へ向かう場合も、茨城県の海釣り案内で禁止区域や漁具・漁法の注意点を確認します。
- 管理者の許可がない岸壁、作業中の漁港、立入禁止区域へ入らない
- 投入前に後方と左右を確認し、針やオモリを人に向けない
- 波が高い場所や濡れたテトラポッドへ無理に入らない
- 必要な場所ではライフジャケットを着用し、単独で危険な足場へ行かない
- 切れた糸、針、コマセ、魚の内臓を釣り場に残さない
サンマが釣れた場合は、食べる予定なら鮮度を落とさないよう早めに冷やします。持ち帰る量は必要な分にとどめ、地域のルールや施設の持ち帰り制限がある場合はそれに従ってください。
まとめ
関東のサンマ釣りは、できないわけではありません。ただし、毎年同じ港で安定して釣れる釣りではなく、魚群の回遊と接岸があった日に成立する条件付きの釣りです。
- 時期は秋から晩秋を目安にし、直近の来遊情報を確認する
- 場所は常磐から銚子・外房の太平洋側を候補にし、釣りが許可された潮通しのよい場所を選ぶ
- 仕掛けはサビキやジグサビキを基本に、群れの距離に応じて足元と遠投を使い分ける
- 千葉県・茨城県など目的地のルール、風と波、施設の最新情報を確認する
サンマが岸へ寄っている確かな情報がなければ、無理に関東の港へ向かわず、対象魚を変えるか、サンマを対象にする遊漁船を探す方が効率的です。回遊魚だからこそ、道具を増やす前に情報を集めることが、関東でのサンマ釣りに近づく第一歩です。




